計測装置の高度化及びシミュレーションの大規模化により時空間ともに高精細なデータを取得できるようになってきています。さらにこのデータは動的かつ巨大なデータであるため、人間にとって有用な情報をこのデータから引き出せるようにするため、どのようデータを加工するかが重要になっています。可視化解析はこのデータ加工手段のひとつであり、情報の描画とともに、データ分析・対話操作・視覚認知などと組み合わせ、可視化技術を中心に添えた総合的な視覚的情報分析手法です。この可視化解析を実現するには、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)やゲーム用開発エンジンなど先進的な可視化技術によるクロスリアリティ(XR:仮想空間(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)の総称)や、人工知能(AI)・機械学習・深層学習によるデータサイエンスが重要な役割を果たすと考えられます。
本研究会では新たな可視化技術・表現法、データ科学と可視化情報学の融合による可視化解析に関する成果発表や意見交換を行います。
研究会の主なテーマは、①科学的な発見やその理解を促すような効果的な可視化表現法研究、②汎用可視化ソフトウェアの開発、③シミュレーション研究・実験研究・実験装置設計などへの応用、④その場可視化の研究・開発、⑤ゲーム開発エンジンを活用した可視化の方法論、⑥機械学習や深層学習を活用した可視化解析、⑦心理学での可視化解析、⑧社会科学など自然科学系以外での可視化研究などです。
また、参加者の対象は、シミュレーション結果の可視化、可視化表現法や可視化技術、ソフトウェアの研究開発、機械学習を用いた可視化技術・データ解析の研究開発など、技術開発から応用まで幅広い分野の産学の研究者・技術者などを想定しています。可視化技術・データ解析技術など先進的可視化開発環境や解析技法の科学探求への応用を課題として、研究発表及び討論を行いたいと考えます。
討論では、VR可視化技術の研究開発の現状評価と研究の方向性の明確化、共同研究に向けて展開可能なテーマの探索、そして研究体制の構築などを行い、また、VR技術の応用は、科学的な分野にとどまらず、社会的・心理学的な分野など様々な分野でも近年盛んになっているので(防災や老人介護、また、失われた城郭や過去の街並みの再現など)、そのような分野との交流も進めたいと考えます。
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