KEKで行われているSuperKEKB/Belle II実験では、ルミノシティ向上を目的としたLS2(Long Shutdown 2)が計画されており、様々な装置のアップグレードが検討されている。
その装置の1つに、ビームパイプ真空接続部を遠隔操作で接続する装置RVC(Remote Vacuum Connection)がある。既存のRVCでは、窒素ガスで圧力をかけて真空接続しているが、アップグレード案ではスペースの都合上、現在のRVCを使うことができない。そのため、新しい接続方法を検討する必要がある。本発表では、現在検討を進めている新型RVCの開発状況について報告する。
FE-SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)は、電子ビームの照射による二次電子や反射電子により撮像を行う。その際、低加速では物体表面、高加速では内部の観察が可能となる。本検討では、電子加速度の異なる画像から、物体表面と内部の両方を観察できる画像を合成する手法を開発した。開発手法は、画像のエッジと焦点合成の技術を用いており、表面・内部両方を良好に観察できる合成画像が生成できることを確認した。
J-PARC Main Ring(MR)に設置されているコリメータは、MRのビーム強度増加に合わせて構造の変更や台数の変更といった増強が行われてきた。コリメータの制御は基本的にEPICSによる遠隔操作であり、本体の増強に合わせて制御システムの改造も行われてきた。本発表ではコリメータ制御システムの改造について、(1)GUIのMEDMからCSSへの移行(2)本体増強に合わせた制御システムの整備(3)新しいCSS画面の作成 について報告を行う。
KEKつくばキャンパスにある放射光実験施設PF-ARでは、ビーム電流計(DCCT)の更新作業を2023年から約2年かけて段階的に実施した。今回の更新では、DCCTコアや検出回路といったハードウェアに加え、EPICSを用いた読み出し制御系の改修も必要となり、多くの課題に直面した。本発表では、これらの更新内容の詳細と作業過程で生じた技術的な工夫や苦労した点について紹介する。
高エネルギー加速器研究機構機械工学センターでは、工作機械による各種加工に加え、TIG溶接やアーク溶接などを用途に応じて使い分け、真空配管、水冷配管、架台等の製造支援業務を行っている。本発表では、「アングルヘッドを用いた導波管角フランジ加工」の製作事例を取り上げ、傷の生じた角フランジのシール面を再加工するために工夫した治具の構成および、アングルヘッドを用いた具体的な加工方法について紹介する。
核融合実験装置では、ラバールノズルから燃料ガスを高速に入射する、超音速分子ビーム入射(SMBI)が燃料供給方法の一つとして用いられている。SMBIの燃料ガス加速にはラバールノズルを用いる。我々は大型ヘリカル装置(LHD)実験の知見・経験を基に、タイの核融合実験装置Thailand Tokamak-1(TT-1)のSMBI用のラバールノズルを設計した。この度、設計したラバールノズルの性能評価を、シュリーレン法を用いて実施したので報告する。
ラジオクロミックフィルム線量測定法は、信頼性や精度、扱いやすさから20年以上広く利用されてきました。しかし一般的な読取法では照射後でなければ線量を取得できません。本研究では、カラーセンサでフィルムの色の変化をその場測定するリアルタイム読取手法を提案し、高精度で即時性のある線量測定を可能にします。
本研究は、機械加工で「不思議なおもちゃ」を製作し、オープンキャンパスで小中学生に遊んでもらう。そして、製作過程や仕組みを伝えることで技術を学べると理解し、機械加工への興味を促すことを目的としている。そうすることで、実習工場の見学意欲を高めることができる。また、小中学生が機械加工に興味を持てば、将来的な工学系進学者増加に寄与する。評価は見学後の無記名アンケートで興味の有無を調査する。
日米科学技術協力事業の一環として、J-PARCで実績のあるOTRと蛍光を用いたビームプロファイルモニターの技術をFNALの加速器に導入する計画を進めている。装置はFNAL仕様に再設計され、日本で製作した。2025年12月に装置は輸出され、2026年1月にFNALに到着する。さらに、2月には日本メンバーがFNALに出張し、組み立てと調整を行う。本発表では輸出前後それぞれの組み立て及び性能検証を中心に報告する。
釧路高専においては2024 年度までの機械仕上実習ではグループごとに材料を配布し共同作業で実習を行っていたが、意欲のある学生と消極的な学生が共同作業を行う場合に実習への取り組み度合に差が生じるなどの問題が見られた。これらの問題解決に向けた教材開発についての報告を述べる。また、現在使用している材料に見られる問題点を解消するための材料変更の検討についても併せて報告する。
漏水検知システムは実験装置等の冷却水の水漏れを早期に捉え、実験装置等の安全な運用保全を支える重要な設備である。核融合科学研究所では、実験中に立ち入りが制限される実験室や建屋が離れている設備があるため遠隔監視による迅速・確実な漏水検知が不可欠である。20年前に構築した自作システムで運用してきたが、近年は誤作動や故障の発生が多くなってきている。本発表では誤動作や故障に対して講じた対策について報告する。
本学の基礎教育実験棟化学実験室では、見学者に演示実験を行っている。その際、試薬の構造式の描画や分子モデルを生成して見ていただくのもよいと考えている。本報告は、OSRAを用いて画像の構造式を認識、描画し、Avogadroにより分子モデルを生成する。操作は、HiMacroExで再生されるために簡単で、システムはフリーソフトにより安価である。
エポキシ樹脂ベースのネガ型フォトレジストSU-8は電子線レジストとしても利用可能だが、近接効果や露光後ベーク(PEB)によるレジスト中で発生する酸の拡散により高密度のパターン形成が難しい。レジストの薄膜化やPEB温度と高密度化の関係が知られていることから、今回はSU-8の膜厚を160~220 nmに薄膜化することにより約300 nmのラインパターンを作製したので報告する。
所内の端末管理はDHCPサーバと連携した端末管理システムで行っている。管理システムから端末のIPアドレス変更する際、端末側の静的IPアドレス設定が有効な場合は、使用者にIPアドレスの変更を依頼する必要がある。しかし、DHCPログ及びフロアスイッチ上の履歴を解析しないと静的IPアドレスかの判別ができない。そのため、静的IPアドレス設定の有無を簡易的に判断するWebアプリケーションをDjangoを使い作成した。
核融合科学研究所の超伝導マグネット研究棟では、高温超伝導(HTS)線材を用いた磁場コイルの研究開発を行っている。
本研究開発を効率的に進めるため、棟内にてHTSコイルの試作、性能試験
を一元的に実施できる体制の構築を目指している。
2024年度よりHTSコイル巻線試作機の開発を進めており、テープ線を電動機制御にて一定の張力でパンケーキ巻き出来る環境を構築したため、技術的に苦労した点も含め報告する。
現在 PF リングで運用しているアンジュレータは磁石列を電子ビームに対して移動することで光子エネルギーと偏光状態を制御している。実験中に放射光の光軸が動かないように、磁石列の移動に伴って発生するCODを、アンジュレータ前後に設置している補正電磁石を用いて補正している。本発表では、開発中のプログラムを使用して作成した補正電流テーブルによる4列可変偏光アンジュレータのCOD補正の結果について報告する。
KEK-PFでは、年間3000名以上のユーザーがビームタイムを申請しており、現在は各装置担当者が手作業で配分作業を行っている。この作業を効率化・自動化するため、AIによる自動配分と検証用チェッカーアプリを考案した。AIが申請内容を解析して配分を行い、チェッカーで結果の妥当性を確認する。これにより作業時間を大幅に短縮し、また配分の公平性向上が期待される。本発表ではシステム構成、セキュリティ対策、実用化に向けた取り組みを紹介する。
高エネルギー加速器研究機構では,大強度陽子ビームを用いてミューオンが電子へ転換する希少事象を探索する COMET 実験(J-PARC E-21)が進行中である。本プロジェクトでは複数の超伝導磁石を冷却するため、ヘリウム冷凍設備が必要となる。我々はその設備で用いるヘリウムガス中の不純ガスを除去する低温精製器を開発した。本研究では流通吸着法により破過特性を測定し、不純物除去性能を評価した。当日は精製器の構造、実験手法、得られた不純物吸着特性について報告する。
学科計算機システムで利用するGoogle Workspaceのアカウント管理について報告します。登録したアカウントは既存のLDAP環境から生成しGoogle Apps Scriptにより登録作業を省力化しました。登録に際して検討した内容や手順化について報告します。
JT-60SA装置は世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置(幅約13.5m、高さ約15.5m)である。
次期プラズマ実験運転に向け、加熱装置とトカマク本体を増強する工事の一環として、トカマク本体の上部に縦17m、横17mの架台を整備し、運転中の真空容器内機器を除熱する冷却水配管を支持するとともに、プラズマを診断する計測装置の設置を行う。
上部共通架台にはプラズマ計測装置が据え付けられるため、製作精度±5mm、据付精度±10mmで設計された。これに基づき、製作と据付の結果について報告する。
KEK電子陽電子入射器では、Pt100・熱電対など計875個のセンサと30台のロガーユニットから成るデータロガーシステムを運用している。
データ収集はEPICSを基盤とし、Archiver Applianceにより情報を蓄積し、Angular製Webアプリで閲覧可能としている。
現在使用中のロガーは数年後に生産終了となるため、今後の運用方針の検討が必要である。本年会では本システムの詳細を報告する。
生理研(機構敷地内、液化室から約300m)にあるMRIの液体ヘリウム充填時に大気放出されるヘリウムガスを回収した。建屋外にある放出ダクトに、各所で話題となっている市販の塩ビ製貯水袋を接続し、約2.5m3を回収することができた。ポスター発表では貯水袋の性能についても報告する。
また、ピラニーセンサーを使用したシンプルで安価なヘリウム純度計の受託製作について紹介する。
わが校では、2018年にワイヤ放電加工機を導入して以来、加工担当してきた。様々な方やメーカーのアドバイスを受けて加工を行ってきた。私のこれまでの加工を紹介しつつ、技術向上のために情報を交換しながら共有したい。
放射線管理区域への入域管理の一環として、入域時に個人キーを各自携行する。個人キーは保管器に格納しており、IDカード照合によりキーの貸出を行う。一連のキーの貸出・返却・保管の制御は長年にわたりオンボードコンピュータが担っていたが、経年劣化に備えて更新することとし、保守性や工期・コスト低減を勘案してPLCを採用した。また省配線システムを導入してPLCを保管器の外部に設置し、既存のハードウェアを最大限活用した。
加速器のビーム発生源直近へ設置するコリメータ冷却部品に、冷やしばめを用いた水冷部品を製作した。これは、真空雰囲気中への冷却水漏洩を確実に防止しつつ効率の良い冷却を行う為の構造として採用されたもので、本件ではその製作過程における冷やしばめの作業工程を報告する。
高電圧大電流印加装置における,機械的スイッチのスイッチング時に発生するアーク放電を抑制するために,可飽和インダクタを付加したスイッチシステムを提案する.アーク放電の抑制により,低衝撃音,スパーク時の減光,電極消耗の低減化による長寿命化,低スイッチング損失,電磁ノイズの低減が期待される.本報告では,本装置の構築ならびにその特性について報告する.
モーターで地面を揺すって地震を起こす装置がある。主要構成要素は①モーター②インバータ③偏心重り④制御装置で、制御装置がインバータに位置決めパルスを送出することでモーターの動きを操作している。従来は周波数をパラメータとして与える方式だったが、より柔軟な運転に対応するため、パルス列そのものをパラメータとして与える制御装置を開発した。
核融合科学研究所では、進捗の可視化と業務効率化を目的に、ユーザー側のOSおよびハードウェアに依存しないWebシステムを用いた放射線管理体制を構築した。発表では、2021年3月より運用している汚染検査(スミア)測定報告書を対象として、依頼申請から測定結果入力・承認までの業務フローを例に、従来の紙媒体運用との比較により、進捗の可視化、記入ミス防止、作業負担軽減、非接触化、時間・場所に制約されない情報参照などの導入効果について報告する。
エネルギー回収型線形加速器(ERL)は、 電子を加速した後にそのエネルギーを回収して再利用できる次世代型の加速器である。このERL実証のためにコンパクトERL(cERL)が建設された。
cERLの電子銃及び入射部では正しく真空圧力を測定するために較正されている極高真空計を使用している。
使用開始から約10年使用してきた極高真空計の感度について調査した。
本発表では較正済みの極高真空計を使い比較を行った結果を報告する。
計算科学センターは基盤ネットワークなどの情報インフラや中央計算機を運用し、利用者へ提供している。2024年夏、利用者対応を担う運用管理室の室員複数名が圧迫感や頭痛などの体調不良を訴えた。ヒアリングや騒音測定の結果、建屋内サブ変電所の天井ファン稼働時に低周波騒音が発生し、一部室員は就業場所の変更を要した。部品交換後は症状がほぼ解消した。本発表では一連の対応で得られた知見を報告する。