QSTが国内代表機関としてITER機構に物納貢献する。その中の計測機器(ポロイダル偏向計、赤外サーモグラフィ、ダイバータ不純物モニター、周辺トムソン散乱、マイクロフィッションチャンバー)及びポート統合機器に関する設計及び製造活動を行っている。今回は、ITERにおける電磁力解析用標準モデルなどの紹介とそれらを用いたQST計測開発グループで行われている解析活動について報告する。
マイクロ波化学では、マイクロ波を用いた化学プロセスの実用化に向け、有限要素法解析を活用した反応器設計およびスケールアップ検討に取り組んでいる。マイクロ波加熱においては、温度上昇に伴い材料の誘電率が変化するため、温度分布を正確に把握するために電磁場と熱の相互作用を同時に考慮することが不可欠である。当社では高周波電磁界解析と熱流体解析を連携させ、誘電率の温度依存性を反映した電磁場―熱の双方向連成解析を実施している。本発表では、その解析手法と適用事例を紹介する。
粒子検出器用超伝導線材は中心にNb/Ti等のコア材がありその周りがアルミ材で覆われている。この超伝導線材の押し出しにあたっては適正な押し出し速度や型枠設計が求められる。条件が不適切な場合、線材の切断やコア材との剥がれ等生じることになる。
今までこの適正な押し出し条件を設定するために熟練者の経験や度重なる押し出し試験が必要であった。
このためANSYSにより弾塑性解析をおこない、適正な押し出し条件を探ることにした。解析ではリメッシュ機能や非線形解析の条件をいろいろと変え、線材の押し出しのシミュレーションをおこなった。残念ながら目標とする押し出し長さは得られなかったが、ある程度の押し出しには成功した。
発表では一連の解析状況について説明をおこなう。
将来加速器に向けた陽電子源の大強度化を目指し、装置開発を進めている。
陽電子源は、陽電子を生成する標的部、磁気捕獲を行うパルスマグネット部、加減速を担う加速管部から構成される。
SKEKB比約40倍の陽電子生成を実現するため、標的では回転標的化による高熱負荷対策、加速管部では電磁シャワー由来の発熱に対応した冷却水路内蔵構造が必要となる。
本発表では、装置設計および製造プロセス検討に用いた熱流体解析や電磁波解析など、有限要素解析の適用事例を報告する。
JT-60SAに敷設予定のミリ波ドップラー反射計は、2027年度のメンテナンス期間での設置に向けて設計が進められている。プラズマ近傍にアンテナを設置するため、ステンレス製導波管を水平ポートから真空容器内へ挿入する構造としており、プラズマ崩壊時にはアンテナ先端部に大きな電磁力が作用することが想定される。そこで、核融合科学研究所技術部では、プラズマ崩壊時に発生する渦電流に起因する電磁力の時刻歴応答解析と構造解析を実施し、構造上の問題点の有無を検討した。
自動車・航空宇宙など高度な複雑性をもつ産業では、要求管理の不整合や設計変更の影響把握といった課題に対し、SE/MBSE の導入が急速に進み成果を上げている。核融合研究・炉開発もまた、学際的要素技術の統合、長期プロジェクト運営、国際協力など類似の複雑性を有し、近年は核融合ベンチャーにおいても SE/MBSE 人材の活用が始まっている。本講演では他産業の実例を基に SE/MBSE の基本概念と効果を平易に解説し、研究段階から核融合装置開発へ適用する際の利点や導入ポイントを示すことで、参加者の理解促進と実践の端緒となることを目指す。