MicrosoftのPower Appsを用いて放射線測定業務を効率化するアプリケーションを開発した。スマートフォンから測定結果を入力できるアプリにより、現場での即時記録とデータ整合性の向上を可能とした。さらに、収集データを基に測定結果を可視化し、報告書として出力するアプリを構築した。これらの機能により、報告作成の迅速化に加えて現場担当者との情報共有が円滑化し、業務全体の効率化に寄与することが確認された。
分子科学研究所の試作工場にはFANUC製の多軸加工機であるロボドリル並びにCAD/CAMのhyperMILLが導入されている.これらを用いて切削加工することにより3次元的な複雑形状を加工できる.しかし,日常的な業務においては複雑な形状を製作する機会は決して多くはない.そこで,多軸加工についての勉強会への参加や自身で加工課題を設けてhyperMILLを使用し実際に加工するなど技術習得・向上に努めてきた.
本発表ではそれらの取り組みについて報告する.
核融合研究用炉心プラズマ加熱装置として、高周波イオン源を利用した中性粒子ビーム入射装置(NBI)の開発が行われている。
この高周波放電にGaN-FETを用いたスイッチング周波数500k~4MHz、60kW出力のインバータ電源を製作している。前回の発表ではインバータ基板の試作途中であったが、今回は実機製作の途中経過を報告する。
放射光施設であるNanoTerasuには、生物実験に関する規則が未整備であるため、測定実験の実施が困難な状況にある。そこで、遺伝子組換え、バイオセーフティー、動物実験に関する規則の制定を検討した。しかし、各法規制に基づいて個別に規則を作成すると、3種類の規則が必要となり、ユーザーにとって分かりにくいという課題が生じる。そこで、Microsoft Copilotを活用し、これらを統合した一つの包括的な規則を作成することを試みた。本発表では、規則策定の過程とその課題、ならびにAI活用による解決の可能性について苦労話を中心に報告する。
飛行時間型質量分析器の検出器であるMCP(Micro Channel Plate)や、近年の放射線計測に用いられているGEM(Gas Electron Multiplier)などで、時系列で印加電圧を調整したり極性を変更したりすることが求められている。我々は最大±5kV程度の出力を複数備え、出力電圧を独立に設定・制御可能な多出力高電圧電源の開発を進めた。本発表では全体像とD/Aコンバータを用いた高電圧モジュール制御を中心に報告する。
JAXA宇宙科学研究所には、大学の工作室と同様の学生実験や試作開発を支える先端工作技術グループが組織されている。研究所の試作・開発を支える当グループでは設計、機械加工、溶接、組み立て調整などを担当者が横断的に行い、多様な要求に迅速かつ効率的に応える体制の構築を目指している。本報告ではこれまでの製作事例と現在の人員体制についてご紹介する。
本校は平成29年度よりスマートメカニクスコース2年次向けに「創造工学基礎演習」を創設し、機械工学分野の学生に加え、情報工学分野の学生も実習工場で加工実習を履修することを特色とする。この実習は情報工学分野の学生から概ね高い評価を得ているが、機械工学分野の学生にとっては、後続の「機械工学実習・実験Ⅰ」と手仕上げ種目が重複し、作業の単調化が課題となっていた。この課題に対応し、学生の学習意欲を向上させるため、令和8年度から本演習の実習種目を板金加工に変更する。新種目では、薄板加工やスポット溶接を取り入れ、ペン立てを題材とした製作を行う計画である。本報告は、新実習導入に向けた板金製作物に対するアンケート評価、および実習準備の状況について述べる。
KEKの広報活動の一環として、「真空チャレンジ」と題した体験型の科学おもちゃを製作し、イベントへ出展した。
市販の自転車用空気入れを改造して簡易的な真空ポンプとし、これを使って体験者に実際に真空容器を減圧してもらうというものである。
さらに、同一容積の別の真空容器を油回転ポンプで同時に排気し、体験者と油回転ポンプで制限時間内での到達圧力を競わせた。
本発表では、装置の開発過程のほか、程よい難易度を演出する工夫や当日運営の様子などについて紹介する。
分子科学研究所装置開発室エレクトロニクスセクションではこれまで高速・高電圧のパルスジェネレータや微小定電流電源など、様々な実験装置を製作し研究者に提供してきた。一方で近年ではIoTやDXといった単語が広く喧伝され、多様なデータを取得する目的でこれまでにない小型の装置を製作する機会が増えてきている。今回は筆者が筐体まで一貫して設計・製作した小型装置の設計ワークフローや性能評価について紹介する。
鍔付きとんがり帽子形状の先端に開口を有する部品(以下、スキマーとする)は、真空容器内における分子線の実験などに使用される。装置開発室は、めっきを用いた銅製スキマーの製作をこれまでおこなってきたが、より高い剛性を有するニッケル製スキマーの試作に挑戦した。本発表では、めっきを用いた製作手順の検討内容や製作時の工夫、作業を通じて得られた知見について述べる。
2021年度(R3年度)から老朽化した光源加速器インターロックの更新作業を開始し、2024年(令和6年)秋の運転から更新後の新インターロックシステムを使用した加速器運転を開始した。
更新作業は全てが順調に進んだわけではなく、幾つかのトラブルが発生し、その都度対応しながら進めていった。
本報告では、更新作業中にどのようなトラブルが起こりどのような対応を行ったかについて報告を行う。
コロナウィルスが流行したことを機に、在宅勤務での対応が急激に増えることとなった。自宅から職場の機器へアクセスして業務を遂行するためには、VPNシステムを利用することが不可欠となり、VPNシステムの利用者が急激に増えることにもつながった。本報告では、核融合科学研究所におけるVPNシステムの運用について報告する。
KEKで行われているSuperKEKB/Belle II実験では、ルミノシティ向上を目的としたLS2(Long Shutdown 2)が計画されており、様々な装置のアップグレードが検討されている。
その装置の1つに、ビームパイプ真空接続部を遠隔操作で接続する装置RVC(Remote Vacuum Connection)がある。既存のRVCでは、窒素ガスで圧力をかけて真空接続しているが、アップグレード案ではスペースの都合上、現在のRVCを使うことができない。そのため、新しい接続方法を検討する必要がある。本発表では、現在検討を進めている新型RVCの開発状況について報告する。
FE-SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)は、電子ビームの照射による二次電子や反射電子により撮像を行う。その際、低加速では物体表面、高加速では内部の観察が可能となる。本検討では、電子加速度の異なる画像から、物体表面と内部の両方を観察できる画像を合成する手法を開発した。開発手法は、画像のエッジと焦点合成の技術を用いており、表面・内部両方を良好に観察できる合成画像が生成できることを確認した。
J-PARC Main Ring(MR)に設置されているコリメータは、MRのビーム強度増加に合わせて構造の変更や台数の変更といった増強が行われてきた。コリメータの制御は基本的にEPICSによる遠隔操作であり、本体の増強に合わせて制御システムの改造も行われてきた。本発表ではコリメータ制御システムの改造について、(1)GUIのMEDMからCSSへの移行(2)本体増強に合わせた制御システムの整備(3)新しいCSS画面の作成 について報告を行う。
KEKつくばキャンパスにある放射光実験施設PF-ARでは、ビーム電流計(DCCT)の更新作業を2023年から約2年かけて段階的に実施した。今回の更新では、DCCTコアや検出回路といったハードウェアに加え、EPICSを用いた読み出し制御系の改修も必要となり、多くの課題に直面した。本発表では、これらの更新内容の詳細と作業過程で生じた技術的な工夫や苦労した点について紹介する。
高エネルギー加速器研究機構機械工学センターでは、工作機械による各種加工に加え、TIG溶接やアーク溶接などを用途に応じて使い分け、真空配管、水冷配管、架台等の製造支援業務を行っている。本発表では、「アングルヘッドを用いた導波管角フランジ加工」の製作事例を取り上げ、傷の生じた角フランジのシール面を再加工するために工夫した治具の構成および、アングルヘッドを用いた具体的な加工方法について紹介する。
核融合実験装置では、ラバールノズルから燃料ガスを高速に入射する、超音速分子ビーム入射(SMBI)が燃料供給方法の一つとして用いられている。SMBIの燃料ガス加速にはラバールノズルを用いる。我々は大型ヘリカル装置(LHD)実験の知見・経験を基に、タイの核融合実験装置Thailand Tokamak-1(TT-1)のSMBI用のラバールノズルを設計した。この度、設計したラバールノズルの性能評価を、シュリーレン法を用いて実施したので報告する。
ラジオクロミックフィルム線量測定法は、信頼性や精度、扱いやすさから20年以上広く利用されてきました。しかし一般的な読取法では照射後でなければ線量を取得できません。本研究では、カラーセンサでフィルムの色の変化をその場測定するリアルタイム読取手法を提案し、高精度で即時性のある線量測定を可能にします。
本研究は、機械加工で「不思議なおもちゃ」を製作し、オープンキャンパスで小中学生に遊んでもらう。そして、製作過程や仕組みを伝えることで技術を学べると理解し、機械加工への興味を促すことを目的としている。そうすることで、実習工場の見学意欲を高めることができる。また、小中学生が機械加工に興味を持てば、将来的な工学系進学者増加に寄与する。評価は見学後の無記名アンケートで興味の有無を調査する。
日米科学技術協力事業の一環として、J-PARCで実績のあるOTRと蛍光を用いたビームプロファイルモニターの技術をFNALの加速器に導入する計画を進めている。装置はFNAL仕様に再設計され、日本で製作した。2025年12月に装置は輸出され、2026年1月にFNALに到着する。さらに、2月には日本メンバーがFNALに出張し、組み立てと調整を行う。本発表では輸出前後それぞれの組み立て及び性能検証を中心に報告する。
釧路高専においては2024 年度までの機械仕上実習ではグループごとに材料を配布し共同作業で実習を行っていたが、意欲のある学生と消極的な学生が共同作業を行う場合に実習への取り組み度合に差が生じるなどの問題が見られた。これらの問題解決に向けた教材開発についての報告を述べる。また、現在使用している材料に見られる問題点を解消するための材料変更の検討についても併せて報告する。
漏水検知システムは実験装置等の冷却水の水漏れを早期に捉え、実験装置等の安全な運用保全を支える重要な設備である。核融合科学研究所では、実験中に立ち入りが制限される実験室や建屋が離れている設備があるため遠隔監視による迅速・確実な漏水検知が不可欠である。20年前に構築した自作システムで運用してきたが、近年は誤作動や故障の発生が多くなってきている。本発表では誤動作や故障に対して講じた対策について報告する。
本学の基礎教育実験棟化学実験室では、見学者に演示実験を行っている。その際、試薬の構造式の描画や分子モデルを生成して見ていただくのもよいと考えている。本報告は、OSRAを用いて画像の構造式を認識、描画し、Avogadroにより分子モデルを生成する。操作は、HiMacroExで再生されるために簡単で、システムはフリーソフトにより安価である。
エポキシ樹脂ベースのネガ型フォトレジストSU-8は電子線レジストとしても利用可能だが、近接効果や露光後ベーク(PEB)によるレジスト中で発生する酸の拡散により高密度のパターン形成が難しい。レジストの薄膜化やPEB温度と高密度化の関係が知られていることから、今回はSU-8の膜厚を160~220 nmに薄膜化することにより約300 nmのラインパターンを作製したので報告する。
所内の端末管理はDHCPサーバと連携した端末管理システムで行っている。管理システムから端末のIPアドレス変更する際、端末側の静的IPアドレス設定が有効な場合は、使用者にIPアドレスの変更を依頼する必要がある。しかし、DHCPログ及びフロアスイッチ上の履歴を解析しないと静的IPアドレスかの判別ができない。そのため、静的IPアドレス設定の有無を簡易的に判断するWebアプリケーションをDjangoを使い作成した。
核融合科学研究所の超伝導マグネット研究棟では、高温超伝導(HTS)線材を用いた磁場コイルの研究開発を行っている。
本研究開発を効率的に進めるため、棟内にてHTSコイルの試作、性能試験
を一元的に実施できる体制の構築を目指している。
2024年度よりHTSコイル巻線試作機の開発を進めており、テープ線を電動機制御にて一定の張力でパンケーキ巻き出来る環境を構築したため、技術的に苦労した点も含め報告する。
現在 PF リングで運用しているアンジュレータは磁石列を電子ビームに対して移動することで光子エネルギーと偏光状態を制御している。実験中に放射光の光軸が動かないように、磁石列の移動に伴って発生するCODを、アンジュレータ前後に設置している補正電磁石を用いて補正している。本発表では、開発中のプログラムを使用して作成した補正電流テーブルによる4列可変偏光アンジュレータのCOD補正の結果について報告する。
KEK-PFでは、年間3000名以上のユーザーがビームタイムを申請しており、現在は各装置担当者が手作業で配分作業を行っている。この作業を効率化・自動化するため、AIによる自動配分と検証用チェッカーアプリを考案した。AIが申請内容を解析して配分を行い、チェッカーで結果の妥当性を確認する。これにより作業時間を大幅に短縮し、また配分の公平性向上が期待される。本発表ではシステム構成、セキュリティ対策、実用化に向けた取り組みを紹介する。
高エネルギー加速器研究機構では,大強度陽子ビームを用いてミューオンが電子へ転換する希少事象を探索する COMET 実験(J-PARC E-21)が進行中である。本プロジェクトでは複数の超伝導磁石を冷却するため、ヘリウム冷凍設備が必要となる。我々はその設備で用いるヘリウムガス中の不純ガスを除去する低温精製器を開発した。本研究では流通吸着法により破過特性を測定し、不純物除去性能を評価した。当日は精製器の構造、実験手法、得られた不純物吸着特性について報告する。
学科計算機システムで利用するGoogle Workspaceのアカウント管理について報告します。登録したアカウントは既存のLDAP環境から生成しGoogle Apps Scriptにより登録作業を省力化しました。登録に際して検討した内容や手順化について報告します。
JT-60SA装置は世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置(幅約13.5m、高さ約15.5m)である。
次期プラズマ実験運転に向け、加熱装置とトカマク本体を増強する工事の一環として、トカマク本体の上部に縦17m、横17mの架台を整備し、運転中の真空容器内機器を除熱する冷却水配管を支持するとともに、プラズマを診断する計測装置の設置を行う。
上部共通架台にはプラズマ計測装置が据え付けられるため、製作精度±5mm、据付精度±10mmで設計された。これに基づき、製作と据付の結果について報告する。
KEK電子陽電子入射器では、Pt100・熱電対など計875個のセンサと30台のロガーユニットから成るデータロガーシステムを運用している。
データ収集はEPICSを基盤とし、Archiver Applianceにより情報を蓄積し、Angular製Webアプリで閲覧可能としている。
現在使用中のロガーは数年後に生産終了となるため、今後の運用方針の検討が必要である。本年会では本システムの詳細を報告する。
生理研(機構敷地内、液化室から約300m)にあるMRIの液体ヘリウム充填時に大気放出されるヘリウムガスを回収した。建屋外にある放出ダクトに、各所で話題となっている市販の塩ビ製貯水袋を接続し、約2.5m3を回収することができた。ポスター発表では貯水袋の性能についても報告する。
また、ピラニーセンサーを使用したシンプルで安価なヘリウム純度計の受託製作について紹介する。
わが校では、2018年にワイヤ放電加工機を導入して以来、加工担当してきた。様々な方やメーカーのアドバイスを受けて加工を行ってきた。私のこれまでの加工を紹介しつつ、技術向上のために情報を交換しながら共有したい。
放射線管理区域への入域管理の一環として、入域時に個人キーを各自携行する。個人キーは保管器に格納しており、IDカード照合によりキーの貸出を行う。一連のキーの貸出・返却・保管の制御は長年にわたりオンボードコンピュータが担っていたが、経年劣化に備えて更新することとし、保守性や工期・コスト低減を勘案してPLCを採用した。また省配線システムを導入してPLCを保管器の外部に設置し、既存のハードウェアを最大限活用した。
加速器のビーム発生源直近へ設置するコリメータ冷却部品に、冷やしばめを用いた水冷部品を製作した。これは、真空雰囲気中への冷却水漏洩を確実に防止しつつ効率の良い冷却を行う為の構造として採用されたもので、本件ではその製作過程における冷やしばめの作業工程を報告する。
高電圧大電流印加装置における,機械的スイッチのスイッチング時に発生するアーク放電を抑制するために,可飽和インダクタを付加したスイッチシステムを提案する.アーク放電の抑制により,低衝撃音,スパーク時の減光,電極消耗の低減化による長寿命化,低スイッチング損失,電磁ノイズの低減が期待される.本報告では,本装置の構築ならびにその特性について報告する.
モーターで地面を揺すって地震を起こす装置がある。主要構成要素は①モーター②インバータ③偏心重り④制御装置で、制御装置がインバータに位置決めパルスを送出することでモーターの動きを操作している。従来は周波数をパラメータとして与える方式だったが、より柔軟な運転に対応するため、パルス列そのものをパラメータとして与える制御装置を開発した。
核融合科学研究所では、進捗の可視化と業務効率化を目的に、ユーザー側のOSおよびハードウェアに依存しないWebシステムを用いた放射線管理体制を構築した。発表では、2021年3月より運用している汚染検査(スミア)測定報告書を対象として、依頼申請から測定結果入力・承認までの業務フローを例に、従来の紙媒体運用との比較により、進捗の可視化、記入ミス防止、作業負担軽減、非接触化、時間・場所に制約されない情報参照などの導入効果について報告する。
エネルギー回収型線形加速器(ERL)は、 電子を加速した後にそのエネルギーを回収して再利用できる次世代型の加速器である。このERL実証のためにコンパクトERL(cERL)が建設された。
cERLの電子銃及び入射部では正しく真空圧力を測定するために較正されている極高真空計を使用している。
使用開始から約10年使用してきた極高真空計の感度について調査した。
本発表では較正済みの極高真空計を使い比較を行った結果を報告する。
計算科学センターは基盤ネットワークなどの情報インフラや中央計算機を運用し、利用者へ提供している。2024年夏、利用者対応を担う運用管理室の室員複数名が圧迫感や頭痛などの体調不良を訴えた。ヒアリングや騒音測定の結果、建屋内サブ変電所の天井ファン稼働時に低周波騒音が発生し、一部室員は就業場所の変更を要した。部品交換後は症状がほぼ解消した。本発表では一連の対応で得られた知見を報告する。
高エネルギーコライダー実験では、より高いルミノシティーを得るために、大電流化が進められている。フラックスコンセントレータ(Flux Concentrator, FC)は生成した陽電子を効率的よく捕獲する事が目的のデバイスである。FCの組立はTIG溶接を行う必要があり、溶接手順の検討と専用ジグを用いる事でリークのない組立てを行う事が出来た。
今更ながら初めて公式に広報や参加者募集をして科学体験教室を主体者として開催したので報告する。これまで研究室に依頼されてスポット的に開催する事はあったが、近年技術職員同士の横のつながりが生まれ、2024年に有志で科学教室ワーキンググループとして活動するに至った。開催回毎にそれぞれの専門分野をテーマとし今回液体窒素を用いた体験教室を主宰した。特徴として見せるだけでなくなるべく触ってもらう事を念頭に企画した。創意工夫等を報告する。
QSTが国内代表機関としてITER機構に物納貢献する。その中の計測機器(ポロイダル偏向計、赤外サーモグラフィ、ダイバータ不純物モニター、周辺トムソン散乱、マイクロフィッションチャンバー)及びポート統合機器に関する設計及び製造活動を行っている。今回は、ITERにおける電磁力解析用標準モデルなどの紹介とそれらを用いたQST計測開発グループで行われている解析活動について報告する。
地中熱を利用する上で重要となるのが土壌の熱伝導率であり,それを推定する手法として熱応答試験がある。本試験は,土壌に「一定の熱負荷」を「48時間以上」与えることが規定されているが,試験装置に供給する電源電圧の変動や外乱などにより熱負荷が安定せず,解析結果に影響を与える場合が多い。そこで,熱負荷変動を最小化する機能を備えた熱応答試験装置を製作した。本装置を用いることにより安定した試験が実施可能となるとともに,土壌熱伝導率推定の精度向上に寄与する。
マイクロ波化学では、マイクロ波を用いた化学プロセスの実用化に向け、有限要素法解析を活用した反応器設計およびスケールアップ検討に取り組んでいる。マイクロ波加熱においては、温度上昇に伴い材料の誘電率が変化するため、温度分布を正確に把握するために電磁場と熱の相互作用を同時に考慮することが不可欠である。当社では高周波電磁界解析と熱流体解析を連携させ、誘電率の温度依存性を反映した電磁場―熱の双方向連成解析を実施している。本発表では、その解析手法と適用事例を紹介する。
ヘリウムは貴重な資源のため、学内利用者にはヘリウム回収配管の整備を求めている。
小動物用MRIが保健学科にあり、現在回収配管の整備に向けて動いている。
この間も貴重なヘリウムが大気放出されていること、また担当者が配管整備に意欲的であることを踏まえて、配管が整備されるまでの間、可搬型ガスバッグを用いてヘリウムを回収することとした。
装置上部の改造や、回収ユニットの設置等により、実現に至った経緯を発表する。
科学研究費補助金のうち、奨励研究はほぼ全ての技術職員が申請可能であり、本研究会参加者でも毎年申請されている方は多いと思われる。また本学では申請率及び採択率向上を目的とした組織的支援も存在する一方、本学以外の支援実態は不明であり、故に支援内容の妥当性も評価困難である。
本発表では、科研費申請における組織的支援の実態を調査するため、全国の大学等技術職員を対象に行ったアンケートの内容及びその結果について報告する。
粒子検出器用超伝導線材は中心にNb/Ti等のコア材がありその周りがアルミ材で覆われている。この超伝導線材の押し出しにあたっては適正な押し出し速度や型枠設計が求められる。条件が不適切な場合、線材の切断やコア材との剥がれ等生じることになる。
今までこの適正な押し出し条件を設定するために熟練者の経験や度重なる押し出し試験が必要であった。
このためANSYSにより弾塑性解析をおこない、適正な押し出し条件を探ることにした。解析ではリメッシュ機能や非線形解析の条件をいろいろと変え、線材の押し出しのシミュレーションをおこなった。残念ながら目標とする押し出し長さは得られなかったが、ある程度の押し出しには成功した。
発表では一連の解析状況について説明をおこなう。
本学ではヘリウム液化機としてLinde社のL280を2011年から運用している。2022年10月に2基のタービンのうち、後段だけが起動しないトラブルが発生した。電気系統に問題はなく、分解後の目視確認でも異常は確認されなかったが、再組立すると運転することができた。その後2022年11月と2025年1月にも同様の症状が再発したが、分解組立によって直った。原因はいまだ不明であるが、症状と対策について発表する。
近年、化学プラントを保有する事業所では、設備の管理・保守点検にドローンを活用するニーズが急速に高まっている。一方、教育現場ではドローン技術を取り入れたカリキュラムの普及が進んでおらず、特に化学系分野では導入例がほとんどない。DX社会に対応できる人材育成が求められる中、本校化学工学実習工場に設置された精留塔実験装置(実プラントの1/10スケール)を活用し、化学系学生向けのドローン実習カリキュラムの構築と導入を行った。
J-PARC MRの真空システムは、大規模で多数の真空機器から成る。17年余の間運用の間に、機器情報や作業情報の管理が「属人的」「断片的」になってしまった。筆者着任時に、体系的・網羅的にシステムを把握することが困難であった。システムを構成する機器と、それらのハード的・ソフト的接続の情報等を整理しつつある。継承をも視野に入れた情報の整理について述べていきたい。また限られた資源の中での今後のシステムを維持、運転についても考察したい。
当施設ではヘリウムを液化・供給・回収し再液化するリサイクルシステムを運用している。2025年3月頃に液体ヘリウムを供給した複数の研究室で微細流路の閉塞が発生し、実験が長期間停止する事態となった。閉塞の原因を液体ヘリウム中に混入した水素が固化したものと推定し、システム内の水素除去対応と原因考察について報告する。
将来加速器に向けた陽電子源の大強度化を目指し、装置開発を進めている。
陽電子源は、陽電子を生成する標的部、磁気捕獲を行うパルスマグネット部、加減速を担う加速管部から構成される。
SKEKB比約40倍の陽電子生成を実現するため、標的では回転標的化による高熱負荷対策、加速管部では電磁シャワー由来の発熱に対応した冷却水路内蔵構造が必要となる。
本発表では、装置設計および製造プロセス検討に用いた熱流体解析や電磁波解析など、有限要素解析の適用事例を報告する。
JT-60SAに敷設予定のミリ波ドップラー反射計は、2027年度のメンテナンス期間での設置に向けて設計が進められている。プラズマ近傍にアンテナを設置するため、ステンレス製導波管を水平ポートから真空容器内へ挿入する構造としており、プラズマ崩壊時にはアンテナ先端部に大きな電磁力が作用することが想定される。そこで、核融合科学研究所技術部では、プラズマ崩壊時に発生する渦電流に起因する電磁力の時刻歴応答解析と構造解析を実施し、構造上の問題点の有無を検討した。
九州大学応用力学研究所高温プラズマ理工学研究センターでは、球状トカマク発生装置であるQUESTにてプラズマを生成している。本装置には、7本の水冷配管が組み込まれた可動式プラズマリミターが設置されている。各配管への注入前後の温度と、注入時の流量の計21つのアナログ信号をADCで変換し、常時監視するシステムを構築した。本発表では、LabVIEWにて作成したADC制御プログラムの開発を中心に報告する。
本学では極低温環境を必要とする研究者に液体ヘリウムの提供を行っている。使用後に気化したヘリウムは回収ラインを通じて集められ再び液化されるというシステムで運用されている。一方、再利用するシステムを持たない研究機関・企業では液体ヘリウムを大気へ放出している。近年ヘリウム価格の急激な高騰の影響もあり新たなリサイクルの動きが活発となっている。本学での取組について紹介する。
東京大学物性研究所では、2019年10月1日より「ヘリウムガスの再液化事業」を開始している。本事業は、ヘリウムの入手困難・価格高騰により困窮している研究者・学術機関の支援を主たる目的としたものだが、2024年4月1日より容器冷却管理業務も加えるなどして事業内容の拡大を行った。この事業に関する概要説明および今後の課題等について報告する。
本研究所の大型ヘリカル装置(LHD)では、装置本体の周りに16個のカメラを設置してプラズマ実験中に監視を行っている。そのうちの1台について、周辺装置の動作が本体に損傷を与える可能性がある場合、その様子が映像に現れる。装置担当者がこの映像を常時監視するには限度があることから、その補助として画像認識AIによって異常検出を行うこととなったので、これについて報告する。
自動車・航空宇宙など高度な複雑性をもつ産業では、要求管理の不整合や設計変更の影響把握といった課題に対し、SE/MBSE の導入が急速に進み成果を上げている。核融合研究・炉開発もまた、学際的要素技術の統合、長期プロジェクト運営、国際協力など類似の複雑性を有し、近年は核融合ベンチャーにおいても SE/MBSE 人材の活用が始まっている。本講演では他産業の実例を基に SE/MBSE の基本概念と効果を平易に解説し、研究段階から核融合装置開発へ適用する際の利点や導入ポイントを示すことで、参加者の理解促進と実践の端緒となることを目指す。